EXIBITHION
2005年1月4日~10日まで京都、恵文社・一乗寺店ギャラリーアンフェールで開催された、絵本展覧会「はつ夢」の模様です。
今回は会期がお正月という事もあり、ストレートにコンセプトを「お正月」にしてみました。
恵文社、日本のお正月、僕の作品のそれぞれの雰囲気を大切にしての企画、展示を心掛けました。恵文社には本好きの人が多く集まりますので、手は抜けません。会場には、今まで制作をしてきた15冊の絵本と、「すずめ」という新作を制作、展示致しました。
お正月の事を調べると、いかに昔の日本人が「正月」というものを特別視していたかが分かります 。不確実な生活基盤の上に成り立っていた農耕民族の祈りが、しめ縄や鏡もちなどには込められています。語呂合わせのような「縁起」を求めるのも、それ程昔の人々は自然に対し畏怖の念を抱き、言霊にすがりつくしかなかった生活をおくっていたからなのかも知れません。
そんな事を思いつつ、お正月という清々しい時に催しをするという事は、何か自分の新しいビジョンが開けるような凛とした気持ちになれた貴重な経験でした。もともと年越しというのは、大晦日に一度死んで、正月に生まれ変わる。という事なんだそうです。この展覧会で自分の中の知らなかった歯車がカチリと動きだした様な思いです。
会場は全国的にも有名な本屋さん「恵文社・一乗寺店」
趣味の良い本を揃えています。
本が「見える時」は2~3時間居てしまう程です。
恵文社一乗寺店の一番奥にギャラリーアンフェールがあります。
お店とギャラリーの垣根が無いのがここの良い所。
と、いうことで、お店の雰囲気と合わせた会場作りにしました。
関西のしめ飾りはエビとかが付いていなくてシンプルでよろしい。
今回は特大のやつを飾りました。
個人的にここのエントランス部分がお気に入り。
近所のお花やさんで買ってきた松の枝をお正月らしく設えてみました。
お正月の神聖な感じが出ているでしょ?
会期中には、フレーム入りイラストレーションや
ポストカードの販売も致しました。
ここら辺は最近の作品。
自分の中では結構ストイックな
ストーリー構成だと思っている作品です。
初期のほんわか系が好きな人と、
ここら辺が好きだと言ってくれる人と
マチマチなのが面 白いものです。
制作年代ごとに絵本を並べて、
ゆっくり読んでいただけるように台を設置。
色々なお正月アイテムもちりばめて、
なんとなく懐かしい感じを醸し出しました。
そうそう、この鏡もち。
母が作ってくれました。ありがとう!
子供の時、鏡もちに乗っている
葉っぱ付きのミカンがうれしかったなあ。なんでだろ?
アンフェールの床って不思議。
歩くとピチピチ、ピキピキ音が鳴る。
ガラスが敷いてあるみたい。乙女チック。
お、あそこにいるのは東京から来てくれた友人Tだゾ。
僕の作品の良き理解者。
ギャラリー側から店内の眺め。
やっぱ良い雰囲気の本屋さんだなあ。
僕の憧れだった銀座のデザイン会社LPに勤める友人が、
粋な事にウォーホルも愛用していた
ポラロイド180を持ってきてくれて、撮影してくれました。
というか、僕がバシバシ撮りまくったんだけど。
やっぱポラはいいなあ。
「今撮ったのに、もう古い」って感じが良い。
雰囲気もさる事ながら、お値段もなかなかのエジソン電球。
カッチ、カッチ・・・と用意した柱時計の音が
意外に大きく響くギャラリー内で作品を読んでいると、
制作した自分でも何となく内省的な気持ちになるのが不思議です。
ボーン、ボーン。ネジ巻き時計。
裏白(シダ)は、裏が白いので
「裏表のない潔白さ」という事を表わしているのだそうだ。
展覧会終了後、成功を祝してダルマさんの右目をいれました。
なんかうれしそう。
会場全景。
展覧会にお越し頂いた皆様、また、作品やポストカードを買っていただいた皆様、本当にありがとうございました。今回は、会期まで時間が無かったにもかかわらず、コンセプトから一貫して良質な展覧会が出来ました。
また、アイディアや色々雑多な面でサポートをしてくれた妻には深く感謝しています。
ありがとう。