城の崎にて

掃除のついでに何気なくY太の机に放り投げてある国語の教科書をめくると、近代の小説の箇所に志賀直哉の「城の崎にて」が載っていた。

しかしどうだろう?

高校生に城の崎にて。

 

この小説が書かれた背景には、ガーシー先生が山手線と接触事故を起こして、その療養の為に訪れた城崎での生活がある。

屋根の上のスズメバチが死んでいて動かないだの、高い所にある葉っぱが風もないのにヒラヒラしているのが不思議だの、その気がないのに石投げてイモリを殺しちゃっただのと、接触事故に端を発する、所謂「死」の偶然性とそれに対する自身の静かな心の動きを描いている。

 

正直そんな老人臭いもの若者が読んでも「は?」だよね。

でも、それでいいと思うんだよね。

無心論者のガーシー先生が若い頃にお地蔵さんを蹴り倒した様に、そんな教科書なんか捨ててしまえ!ときっと言うと思う。

ガーシー先生は昔の小説家には珍しく、スポーツマンで若い頃はピストバイクを乗り回していた事でも有名。

本当の意味で不良だから好きだなと思う。