昔の話

初めてやったイラストの仕事のデーターを探していて面白いもの発見!

そうそう。京都時代に某所でグッズ制作の話しを持ちかけられて、みごとにブッチ切られたイラストとベースのストーリー。こんな事やってたんだ。

騙されているとも知らず、ゆーやんってばかなりな乙女!

これがそのスウィート・ストーリー。読んでみて♡

 

 

古い古い森で2人の姉妹はひっそりと暮らしていました。
鉛のように重く雲が垂れ込めたある日、2人は古い森の東の奥へ入っていきました。
そこはおいしいキノコが生える秘密の場所です。
苔むして、古い大きな木々が立ち並んでいます。
2人がキノコを夢中で探していると、ふと、遠くから小さく戸のきしむような音が聞こえます。
姉妹は音のする方へ行ってみると、大きな樫の木がありました。
そして、ちょうどお姉さんの背丈ほどの高さにある枝の上に真っ黒い子猫がちょこんと
座っていたのです。
「遊んでいるうちに下りられなくなったのね」
「間抜けなネコだけど、かわいいのね」

「さあ、雨も降り出しそうだし、帰りましょう」
「子猫は母猫がくれば大丈夫。さあ。」

妹は子猫が気になって仕方ありません。
お姉さんは仕方なく、子猫を捕まえると、木の下生えの上にそっと下ろしてやりました。
ところが、子猫は2人の後を離れようとしません。
どうやらキノコを入れているカゴの匂いにつられて、ついて来るようです。

昨日は冷たい河で大きなマスを3匹も釣り上げて、その場でさばいて
このカゴの中に入れて家まで帰ったので、魚の匂いがカゴに染み付いていたのです。
たくさん採ったキノコを捨ててまで、カゴを置いていくわけにもいきません。
2人は子猫を捕まえて、やっと下りられる程度の高さの枝に乗せて
足早に家路につきました。
ところが、しばらくすると遠くからミーミーと家の戸がきしむような声を
出しながら真っ黒い子猫が走ってついて来るのです。

2人は顔を見合わせると吹き出してしまいました。
仕方なくお姉さんは子猫を抱きかかえて、家に連れて帰る事にしました。
冷たい雨も降ってきたし、日も暮れかけていたからです。
妹は家についたら昨日とったマスを子猫にあげられると思うと、うれしくて仕方がありません。


ところが、日が暮れてから騒ぎだしたのは森のけものたちです。
子猫を探して「どこだ、どこだ」ともそもそ動きだすけものたち。

子猫はどこへいったのでしょうか。