生命という現象

「この人はもう存在しないはずなのに、でも確かにここにある。」

亡骸を見ていると、こんな矛盾で頭が混乱しました。

だからぼくにはそれは抜け殻にしか見えない。涙も出ない。冷たいようだけど。


生命というものは、見て触れて感じることができるので物質として認識しがちだけど、でも、このような矛盾に突き当たると、やはり生命の本質は現象なんだと思えます。

ロウソクの炎と一緒で、燃えている時は熱いし確かに見えるけど、消してしまうと炎そのものを証明できない。

そんなフワフワした曖昧で幽かさの中に自分があることが不思議でならない。