安西水丸のパイプ椅子

安西水丸の追悼特集が組まれていたので、

嫁が週刊朝日を買ってきてくれました。

こんな雑誌買ったの始めてだ。

 

読んでいて、思い出した事があります。

学生だった時、彼の仕事場に遊びに行った事があります。

グレーの絨毯。意外とガランとしていて、美人の秘書が一人。

僕は、先生がいつも座っている椅子が気になりました。

有名人なので、立派な椅子に座っているのかと思ったら、

ただのパイプ椅子でした。

体育館とかで使うやつ。

そのパイプ椅子に、汚い座布団が敷いてある。

先生は、そのパイプ椅子にチョコンと軽く腰掛ける感じで、

前のめりで絵を描いていました。

ぼくは、「結構庶民的な所がある人だな」と思い、

それが逆に親近感となって嬉しく感じました。

 

部屋に飾ってあるブルーウィローの皿や、

スノードームも、それほど良いものではないと感じました。

でも、その角度が付きすぎていない、

自然体な、洗いざらしな感じが

安西水丸の良さでした。

きっと、

「橋本君、椅子なんてどうでもいいんだよ。

でも、そのどうでもいい椅子が実は一番なんだよ。」

なんて言ってくれそうです。

いや、言って欲しいと思っています。