邂逅

ホームセンターで会計を済ませてから自転車売り場に目を向けると、ふと視線を感じました。

誰だろう?と思ってよく見ると、男性がたすきがけに抱えていたカバンでした。

正確に言うと、以前僕が古着屋に売ったカバン。

一澤帆布のちょっと珍しい形なので間違いない。

 

昔の彼女に唐突に出会ったような、そんな複雑な気持ちでした。

京都時代にだいぶ使い込んで色あせて解れちゃって、全く使わなくなって売っぱらったのに、お前、そんなとこでまだ大事にされてたんだ。

姿を見ると何だか未練がましくも思うけど、でも、そうか、幸せそうでよかった。

そりゃすぐ分かるさ。そんな目で見ないでくれよ。

これで本当にバイバイだね。