イラストレーター 食べていけない

こんなキーワードで検索して

当スタジオにいらっしゃった方がいます。

この問題、結構シビアですよね。

実際知りたい所でもある。

 

橋本はこの件に関しては、かなり懐疑的な立場を取っています。

イラストレーターで生業を立てている方は沢山います。

でも、世間でイメージされるごくごく普通の生活、

例えば、住宅ローンを支払って、家に奥さんがいて、育ち盛りの子供たちもいる。

たまには旅行にも行くし、老後や子供を大学に入れる蓄えも少しずつしている・・・

そういった、「普通の生活」を送っている人はとてもとても少ないと思います。

その良し悪しは別として、自分はそうできない可能性もある。

という点を覚悟しないといけないと思います。

 

フリーはサラリーマンより健康保険や年金(国民年金、年金基金)

などの支出が倍以上あると思います。

例えば月に40万稼いでも、年収500万でやっと一般サラリーマンと同等。

でも、支出も多いので、サラリーマン家庭より余裕が出るとは思えません。

その上、月に40万イラストだけで稼ぐって、結構大変なんですよ!

 

以前知り合ったイラストレーターの方から

フリーを辞めてデザイナーとして就職する。とメールを頂いた事があります。

彼と飲んでいた時、「奥さんに家が欲しいと言われていて・・・」とこぼしていたので、

彼は男として、家族を守る大きな決断をしたんだなあ。と感心したと同時に、

僕にもイラストレーターを本気で諦めた時があったので、

彼の辛い気持ちが手に取るように分かりました。

 

イラストレーターは芸術を追い求める職業ではありません。

要求された物をいかに質良く提供するか。そのバランス感覚が必要だと思われます。

ただし、そういった実際的な事に捕われてしまうと、

便宜的な安っぽい絵しか描けなくなるので、仕事をしつつ、

いつも良質な美しいものを追い求める姿勢は崩してはいけないのです。


イラストレーターで食べていく事だけだったら

たぶん、

きっと、

できると思います。

でも、イラストレーターになって、それを生業として継続しつつ、

どういったライフスタイルを送りたいのか?

そういった視点で人生を俯瞰する人が少なすぎると思います。

 

人生は人それぞれでいいと思います。

ただし「イラストレーターの生活ってこんなはずじゃなかった。」

そう思って欲しくないと思います。

夢は、ある職業に就く事だけでしょうか?

その仕事をしつつ、

日々の生活を送る事自体にも夢を持って欲しいと、僕は願っています。